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映画を学ぶ学生さんへ、なぜ、映画をたくさん観たほうがいいか答えられますか?

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今日は、映画を学ぶ学生さん達に向けて書きたいと思います。

世の中には、映画学校、映像学科と呼ばれるものがけっこうありますよね。

 

んで、現在、映画学校、映像学科と呼ばれるところで、映画、映像を学んでいる人達は、講師の方にこんなアドバイスを貰った事があるのではないでしょうか?

 

「今のうちに、映画をたくさん観たほうがいいよ」

 

どうですか?必ず一度は言われた事があるでしょ?

もしかしたら、「一度どころか耳にタコが出来るぐらい、何度も何度も言われてるよ」と、叫びたくなっちゃった人がいるかもしれない。

そうなんです、映画、映像の学校、学科に通うと、本当によく「映画をたくさん観なさい、小説をたくさん読みなさい」と先輩達に言われるんですよね。

僕も映画関係の専門学校を卒業したので、よく解ります。

あれって、何で言われるか解ります?

なぜ、映画をたくさん観たほうがいいよ、とアドバイスされるんでしょうか?

 

「卒業して仕事が始まると、忙しくて、映画を観たり、小説を読んだりする暇が無くなるからでしょ?」と、思った人。

う~ん、間違いじゃないけど、不正解。確かに、将来、忙しくなるから、今のうちに観ておけ、という意味もあるんだけど、それだけじゃないんですよ

今日は、なぜ、学生のうちにたくさん映画を観ておかなければいけないのか?という疑問にお答えします。

 

ジャンルのパターンを知ろう!

答えから、先に言っちゃいます。

なぜ、学生のうちにたくさん映画を観ておかなければいけないのか?

それは、映画ジャンルのパターンを知るため、熟知するためです。

どういう事か?解りますか?

 

映画には様々なパターンがあります。

大きく分けると、以下の8つ。

 

1・ラブストーリー

2・サスペンス

3・パニックもの

4・コメディ、

5・ミステリー

6・サクセスストーリー(旅もの)

7・ホラー

8・ホームドラマ

 

ただ、二時間の映画だと、一つのジャンルの要素だけだと間がもたない。

なので、ハリウッド映画のような大作になると、だいたいジャンルの複合型になります。

 

たとえば、1990年代に大ヒットした『タイタニック』は、ラブストーリーとパニックものというジャンルを足して作られていますよね。

また、近年、大ヒットした『スターウォーズ』は、サクセスストーリー(旅もの)のパターンを存分に使っています。

サクセスストーリーのパターンとは、どういうものでしょうか?

たとえば、こんな感じ。

 

(状況設定)

主人公(20代)には何かモヤモヤした悩みがある。

(悩み・家族と上手くいっていない、夢に挫折している、など)

 

(葛藤)

周囲の友人、恋人、家族のさまざまな生き方に触れ、自分を探す。

 

心晴れぬまま、時が過ぎる(去るものもいる)

 

(結末)

事件、事故が起こり、自分とは何かを深く問う

 

ラスト、おぼろげながらも、自分とは何かを知る

 

どうでしょうか?映画好きなら、このサクセスストーリーのパターンを見てるだけで、いろいろな映画が浮かんで来るんじゃないですか?

僕なら、コッポラ監督作品『アウトサイダー』、ヴィスコンティ監督作品『若者のすべて』、フェリーニ監督作品『青春群像』、黒澤明監督作品『赤ひげ』などがパッと浮かんできます。

 

余談ですが、このサクセスストーリーもので、ぜひお手本にしてほしい作品があります。

ラッセ・ハルストレム監督作品『ギルバート・グレイプという作品です。

ギルバート・グレイプ [DVD]

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 この作品は、観てない人いたら、お願いだから観て!

『ギルバート・グレープ』観てないのは、人生損してますよ(笑)

 

まぁ、これは余談です(笑)

本題に戻りましょう。

上記に書いたようなそれぞれのジャンルのパターンを知っておく事の重要性についてでしたね。

 

企画会議でアイディアを出せるか?

たとえば、あなたが学校を卒業して、プロの道に入ったとします。

監督、演出家志望、脚本家志望、どちらにしても、あなたが順調に出世して行けば、必ず企画会議の場に呼ばれて、アイディアを出す時がやって来ます。

 

そんな時、映画をたくさん観て、ありとあらゆるジャンルを理解しておいた事が役に立つんですよ。

もしかしたら、プロデューサーにこんな事を言われえるかもしれません。

「役者は妻夫木さんと広末涼子さんをおさえてある。今回は映画を考えていて、サクセスストーリーで行きたい。他は決まってない。さぁ、どんな企画にしようか?」

さぁ、あなたはどんなアイディアを出しますか?

 

こういった場面で、サクセスストーリーの映画をたくさん観ていないと、そもそもアイディアが出て来ません。

あなたが大ベテランなら、待ってくれるかもしれませんが、新人相手にアイディアが出て来るまで待ってくれるプロデューサーはいないんです。その場で、キャラと設定、ラフなストーリー展開を考えなければなりません。

だからこそ、さっきのサクセスストーリーのパターンを使って、アイディアを搾り出してほしい。

 

でもね、こんな事を言うと、必ず、批判して来る若造が出て来ます。

「いや、いや、俺は新しい映画が作りたいのであって、これまでのジャンルのパターンを知る必要はないんですよ」

それね、はっきり言って間違いです。大間違い。

 

そんな人には、歌舞伎界に古くから伝わる言葉を贈ります。

『型(パターン)を知って、型を破るのは型破り、しかし、型を知らずに、型を破るのは、型知らずだ』

いい言葉でしょ?あなたが新しい映画を知るためには、型(パターン)を知ってなければいけないんです。

知っているからこそ、型(パターン)を破る事が出来る。型知らずになっちゃ駄目です。

どうですか?これが僕の映画をたくさん観ておいたほうがいい理由です。

 

ぜひ、参考にしてみてください。では、また会いましょう